ラッキーのおはなし

お見送り

　昭和から平成に変わる頃まで、夜はラッキーを放してたんだよね。
　当時、私は高校生。ちょっと学校が遠くにあったから、家を出るのが朝７時ころ。ラッキーが夜のお散歩から帰ってくるのが同じ時間くらい。だから、いつもバス停までお見送りに来てくれてたんだ。

　でも、あまり近づいては来てくれなかったの。だって、ラッキーは捕まりたくないからね。
　だいたい１０ｍくらいの距離を保って、家からバス停までトコトコ着いてきてた。私がバスに乗った後に家に帰っていくの。

　ラッキーは本当に「犬」らしい「犬」だったなぁ～。
　「忠犬」という言葉が似合う犬。
　多分、家族に何かが起こったら、体を張って助けてくれただろうって思う。
　とても、頼りになるラッキーだったよ。