食いしん坊【プー助のおはなし】

食いしん坊

　プー助は食いしん坊。これは小さいときから変わらない。

　ある時、ラッキーとプー太郎、プー助の３匹を連れて近くの海に行った。
　車に３匹を乗せた時は、大騒ぎ。
　だって、ラッキーとプー太郎は仲が良くないんだもの。
　ちょっと、目を離すとすぐ「ウ～ッ」って唸り声が聞こえる。

　うちの近くには、あまり人が来ない浜辺があるの。
　そこなら３匹を放して遊ばせても大丈夫なんだ。
　しばらく遊ばせたあと、ちょっとおなか空いたなぁって思って、
　お店で、軽く食事を調達。
　３匹用には、焼きそばを１パック買ってきた。
　（ホントはあまりよくないよね。
　人間用に味付けされたもの、食べさせるのは。
　でも、すこ～しなら、いいよね(^^)）

　で、３匹を呼んで、焼きそばを３つに分けてたら
　食べ物を目の前にして、ラッキーとプー太郎が固まった。
　唸りながら睨み合って動かないの。
　「あちゃ～、こりゃやばいな」と思って、
　ひとまず焼きそばのパックを地面に置いて
　プー太郎とラッキーの仲裁に入ったのね。

　２匹はマジでケンカモード。
　今にもお互い飛びかかろうとしている状況だった。
　下手に間に入ると、私が咬まれてしまいそうなくらい。
　焦って、何とか２匹を引き離そうと必死に頑張ってるとき、
　ふと、「あれっ？　プー助は何してるんだろう？」って思った。
　プー助の姿を探したら...

　プー助には、２匹の争いなんて全く目に入ってなかったのね。
　プー助に見えていたのは「焼きそば」だけ。
　「焼きそば」から私が離れるのを見たとたん、
　一直線に「焼きそば」へ向かって行ったらしいわ。
　私が見たときは、ひたすら無心に「焼きそば」を食べてた。
　しかも、もうほとんど残ってない。

　食べ終わってから、やっと２匹が唸りあってるのに気づいたのね。
　慌てて、２匹のそばで、あたふたあたふた走り回ってた。
　ラッキーとプー太郎が
　何のためにケンカしてるかわかってたのかなぁ、プー助は(^^;

　そのプー助の姿に気をとられてるうちに
　私は、ラッキーに足を咬まれちゃったわよ。
　私を咬んだラッキーも驚いたらしく、それがきっかけでケンカは一段落。

　ケンカに気づいて、慌てて２匹の周りをウロチョロしてた
　プー助の姿が今でも忘れられない。
　ホントにいい性格してるわ、プー助。

　プー助、３才の頃のお話。
　10才を過ぎても、プー助は食いしん坊です(^^)