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My Lovely Days

プー太郎のおはなし

失明

 平成7年6月のある朝のこと。
 沖縄は毎年ゴールデンウィークの頃に梅雨に入って、6月25日頃に梅雨明けなの。その日も、雨はあがっていたけど、すごく蒸し暑い日だった。
 プー太郎の顔を見てびっくり! 向かって右側が血に染まってる。

 びっくりして家族みんなを呼んだ。夜の間に、何かがあったみたい。
 アルバムの写真を見てもらえればわかると思うんだけど、うちは自然たっぷりのところにある。虫やヤモリ、たまにはハブだって出没するようなところ。
 プー太郎も、トカゲか何かとケンカしたのかな?
 夜になると目が光るよね。それにトカゲが飛びかかったのかもしれない。
 プー太郎の左目から血が流れてた。

 それまで、うちの犬達を病院に連れて行ったことはない。
 今、思うととんでもない飼い主なんだけど、その時は予防注射も受けさせてなかったのね。だから、どこの病院に連絡したらいいのかもわからなくて、慌てて電話帳で調べて、一番近い病院に電話。
 状況を説明したら、お医者さんがこう言った。

 「今、病院に連れてきても何もしてあげられないから、近くの薬局で抗生物質の入った塗り薬(商品名は忘れちゃった)を買ってきてそれを塗ってあげなさい」

 言われたとおりに、お薬買ってきて塗ってあげてた。とても痛かったと思う。でも、木に体をもたれかけながら、目を閉じて、ジッと耐えてた。
 それを見て、動物って強いなって思った。

 とても申し訳ないことをしたな。
 今ならわかるの。どうしてあげればよかったのか。
 病院に連れて行って、痛み止めの注射をうってもらうなり、お薬をもらうなり。もっと、方法があったはずだよね。
 ごめんね。プー太郎。

 プー助もね、なんかおかしいなって思ったみたい。
 この2匹はいっつも一緒にじゃれて遊んでたんだけど、プー太郎がジッと耐えてる間、隣で大人しくしてた。
 その間、プー太郎は食事の量は減っていたけど、水は飲んでたの。

 一週間後の朝、いつものように顔を見に行くと、元気よく立ち上がって、勢いよくしっぽを振ってのびをしたの。
 「遊んでよ」っていう時のプー太郎の顔だった!
 やっと、痛みがひいたんだ。
 プー助も嬉しそうだったよ。やっと、一緒に遊べるもん。

 プー太郎の左目は、見えなくなっちゃった。
 写真でもわかるかな?

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