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My Lovely Days

プー太郎のおはなし

脱走

 平成10年の2月のこと。ちょうど、その日は「沖縄マラソン」の日だったのね。でもって、うちの近所はそのコースになってるの。
 朝8時半頃だったかな、電話がかかってきた。
 「そちらのプー太郎くんが逃げて来てますよ。マラソンが始まる前につかまえてくださいね」って。
 どうも、脱走を図ったらしい...

 そのころ、プー助とプー太郎の小屋の周りを柵で囲って、2匹は鎖に繋がないようにしていたの。柵の中を自由に遊べるようにね。柵の高さは結構あったよ。
 だけど、プー太郎は頭がいいんだ。
 自分の小屋の上によじ登って、そこからピョンって柵の向こう側に飛び降りたみたい。で、家族が起きないうちに遊びに行っちゃったのよ。

 プー太郎の首輪にはちゃんと名札をつけてたから、沖縄マラソンの運営スタッフがそれをみて電話をくれたの。
 慌てて、場所を聞いて車で向かったんだけど、連絡をくれたスタッフの方もつかまえきれずに、また、逃げ出したとのこと。
 でも、ちょっと先にプー太郎の姿は見えてた。
 このまま車で近づいたら、また逃げちゃうだろうなぁって思ったから、プー太郎から100m位離れたところで車を降りた。

 ちょっとずつ近づいていって、50m位になったとき、プー太郎がこっちを向いた!
 ラッキーやプー助はね、こんなとき人の顔を見ると逃げてくんだ。追いかけっこするのが楽しいんだよね。
 プー太郎はね、違うんだよ。
 私がしゃがんで「プー太郎、おいでっ!」って呼んだら、一生懸命笑顔で走ってきてくれるんだもんね。
 この時ほどプー太郎が可愛いと思ったことはないよね。
 逃げたことは悪いことだけど、たくさん「おりこうだね〜」ってなでてあげちゃった。

 プー太郎は、私と一緒に散歩に行くのが大好きだったの。
 だから、一人ではあまり楽しくなかったのかもしれないね。
 その後、ちゃんとロープに繋いで、家まで楽しくお散歩したよ。

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